Knowledge of Painting 塗料の知識
日本の塗料関連の出来事
塗料の起源と、日本への伝来(~1872年)
| 社会の 出来事 |
西暦 (年) |
和暦 (年) |
塗料関連の 出来事 |
|---|---|---|---|
| 旧石器時代~ | 日本の塗料は、漆(うるし)塗りから始まる | ||
| 木の蔓で編んだ籠に漆を塗った容器があり、アスファルトが下塗り剤として使われた | |||
| 丹土(朱)、黄土(黄)、鉛丹(白)、緑青(緑)、黒土(黒)などで、寺院等の建物が塗られた | |||
| 縄文 時代~ |
孝安天皇の代に、三見宿弥という人が器に漆を塗って、宮中に献上した | ||
| 米国ペリー特使来日 | 1853 | 嘉永 6年 |
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| 米国ペリー特使再来日 | 1854 | 安政 元年 |
日本に塗料が伝来 |
| 日米和親条約交渉を行う交易談判所に、油性塗料を塗装した | |||
| 「我国塗装発祥之地記念碑」(横浜市元町公園内)は、江戸の渋塗職人町田辰五郎による日本で初めてのペンキ塗装を記念して建てられた碑である。開港百年祭を機に、1958年(昭和33年)に建立された | |||
| 1866 | 慶応 2年 |
外国商館による塗料の販売が始まる | |
| 明治維新 | 1868 | 明治 元年 |
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| 東京遷都 | 1869 | 明治 2年 |
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| 1871 | 明治 4年 |
「ペンキ」の用語が初めて横浜毎日新聞に登場 | |
| 新橋~横浜間鉄道開通 | 1872 | 明治 5年 |
新橋駅・横浜駅を輸入塗料で塗装 |
日本の塗料産業の始まり(1874~1926年)
| 社会の 出来事 |
西暦 (年) |
和暦 (年) |
塗料関連の 出来事 |
|---|---|---|---|
| 1874 | 明治 7年 |
東京開成学校(現、東京大学)に、ドイツ人ワグネル博士が招かれ、その助手であった茂木春太と彼の弟重次郎を指導して、顔料および塗料の研究を開始した | |
| 1881 | 明治 14年 |
日本の塗料工業の始まり | |
| 茂木春太・重次郎兄弟が、東京に光明社(現、日本ペイント株式会社)を創立 | |||
| 1885 | 明治 18年 |
塗料が日本で特許第1号を取得 | |
| 堀田瑞松が農商務省工務局の専売特許所(現、特許庁)へ「堀田錆止塗料および其塗法」を出願し、特許取得 | |||
| 日清戦争始まる | 1894 | 明治 27年 |
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| 官営八幡製鉄所開設 | 1897 | 明治 30年 |
茂木重次郎が「亜鉛華錆製法」で特許2842号を取得 |
| 日露戦争始まる | 1904 | 明治 37年 |
明治中期から大正初期にかけて、塗料メーカーが次々と設立された |
| 大正の初めには輸入塗料はほとんど姿を消した | |||
| 第一次世界大戦始まる | 1914 | 大正 3年 |
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| 1918 | 大正 7年 |
玉水弘が、尼崎市西宮町に、関西ペイント工業所(現、関西ペイント株式会社)を創業 | |
| 世界大戦講和成る | 1919 | 大正 8年 |
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| 1920 | 大正 9年 |
第一次世界大戦後の恐慌で事業を整理する会社が続出 | |
| 関東大震災 | 1923 | 大正 12年 |
関東大震災後の復興需要で盛り返す |
| 1926 | 大正 15年 |
硝化綿ラッカー(セルバ)の工業化 |
戦後、塗料産業の復興(1927~1949年)
| 社会の 出来事 |
西暦 (年) |
和暦 (年) |
塗料関連の 出来事 |
|---|---|---|---|
| 米国リンドバーグ大佐大西洋横断飛行成功 | 1927 | 昭和 2年 |
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| 1929 | 昭和 4年 |
フェノール樹脂塗料の開発 | |
| 満州事変 | 1931 | 昭和 6年 |
統制経済により、塗料工業も軍需産業に組み込まれる |
| フタル酸樹脂塗料の開発 | |||
| 1933 | 昭和 8年 |
塩化ゴム塗料の開発 | |
| 湯川秀樹が中間子論発表 | 1935 | 昭和 10年 |
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| 第二次世界対戦始まる | 1939 | 昭和 14年 |
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| 1945 | 昭和 20年 |
工場数は69、焦土の中で再開した塗料の生産量わずかに1万トン | |
| 1948 | 昭和 23年 |
メラミン樹脂塗料の開発 | |
| 1949 | 昭和 25年 |
酢酸ビニルエマルジョン塗料の開発 |
新技術の開発と用途の拡大(1950~1965年)
| 社会の 出来事 |
西暦 (年) |
和暦 (年) |
塗料関連の 出来事 |
|---|---|---|---|
| 朝鮮戦争勃発 | 1950 | 昭和 25年 |
塗料生産量8万トン |
| 対日講和条約締結 | 1951 | 昭和 26年 |
エポキシ樹脂塗料、紫外線硬化塗料、塩化ビニル樹脂塗料、不飽和ポリエステル樹脂塗料の開発 |
| 1952 | 昭和 27年 |
静電塗装機、赤外線乾燥炉の開発 | |
| 造船ブーム | 1955 | 昭和 30年 |
経済の高度成長の波に乗り、塗料の生産量が飛躍的に増大し始める |
| 塗料の生産量15万トン | |||
| 東海村に原子力の火灯る | 1956 | 昭和 31年 |
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| 世界初人工衛星スプートニク1号打上げ | 1957 | 昭和 32年 |
2液型ポリウレタン樹脂塗料の開発 |
| エアレス塗装機の国産化 | |||
| エアスプレー法の研究発表 | |||
| 岩戸景気 | 1959 | 昭和 34年 |
焼付け型水溶性アクリル樹脂塗料の開発 |
| 1960 | 昭和 35年 |
タールエポキシ樹脂塗料の開発 | |
| 塗料生産量34万トン | |||
| 1962 | 昭和 37年 |
エポキシジンクプライマーの開発 | |
| コロナ帯電式静電粉体塗装機の開発 | |||
| 東京オリンピック開催 | 1964 | 昭和 39年 |
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| 東海道新幹線開通 | |||
| 1965 | 昭和 40年 |
塗料生産量60万トン |
国内塗料産業の最盛(1967~1990年)
| 社会の 出来事 |
西暦 (年) |
和暦 (年) |
塗料関連の 出来事 |
|---|---|---|---|
| 公害対策基本法公布 | 1967 | 昭和 42年 |
塗料工業の排水、排気、廃塗料、廃溶剤の処理などの規制が強まる |
| 無機系ジンクリッチプライマーの開発 | |||
| アポロ11号月面着陸 | 1969 | 昭和 44年 |
高温焼付け型フッ素樹脂塗料の開発 |
| 大阪万博開催 | 1970 | 昭和 45年 |
塗料生産量106万トン |
| 大気汚染防止法の一部改正 | 1972 | 昭和 47年 |
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| 第一次石油ショック | 1973 | 昭和 48年 |
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| 高度成長時代終わる | |||
| 1975 | 昭和 50年 |
ロボット塗装の開発 | |
| 第二次石油ショック | 1979 | 昭和 54年 |
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| 円高による海外進出の増加 | 1986 | 昭和 61年 |
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| 本州・四国連絡橋「瀬戸大橋」開通 | 1988 | 昭和 63年 |
シリコンアクリル樹脂塗料の開発 |
| 塗料生産量200万トンの大台を突破 | |||
| 東欧の民主化進む | 1990 | 平成 2年 |
塗料生産量220万1千トンを達成 |
| この年をピークに、バブル経済の崩壊などによる景気の後退が始まり、長い低迷の時代が続く |
国内の成熟とグローバル展開(1994年~)
| 社会の 出来事 |
西暦 (年) |
和暦 (年) |
塗料関連の 出来事 |
|---|---|---|---|
| 関西国際空港開港 | 1994 | 平成 6年 |
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| 阪神・淡路大震災 | 1995 | 平成 7年 |
PL法が施行になりMSDSの提供が義務化される。 |
| 米国同時多発テロ勃発 | 2001 | 平成 13年 |
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| イラク戦争とその復興混迷 | 2003 | 平成 15年 |
改正建築基準法(シックハウス対策規制)施行により、塗料業界ホルムアルデヒド自主管理制度開始 |
| 2004 | 平成 16年 |
塗料業界VOC排出自主取り組み発表 | |
| 愛・地球博開催 | 2005 | 平成 17年 |
原油価格高騰 |
| 2006 | 平成18年 | 塗料へのGHS適用開始 | |
| 2007 | 平成 19年 |
塗料へのREACH規制施行 | |
| 世界同時不況 | 2008 | 平成 20年 |
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| 日本での政権交代 | 2009 | 平成 21年 |
塗料生産高148万トン(1990年以降最低) |
| 東京国際空港国際線ターミナル開港(羽田) | 2010 | 平成 22年 |
国内塗料メーカーの海外生産量が国内生産量を上回る |
| 東日本大震災 | 2011 | 平成 23年 |
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| 東京スカイツリー開業 | 2012 | 平成 24年 |
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| 2016 | 平成 28年 |
JIS規格から環境対策で鉛含有塗料が廃止される | |
| 2017 | 平成 29年 |
JISに遮熱塗料評価規格制定される |